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数学がわかると世界が違って見える

数学って好きですか?


中学や高校で数学につまずき、結局何のために勉強したのか分からない、とか社会に出てから全然使わないじゃんって思う方も多いと思います。

 

確かに僕もそんな風に思いながらも、数学と関わってきました。

 

しかし、数学は全然使えないものではありません。第一、この世の中の自然法則は数学の言葉で書かれています。自然を語るためには、共通言語である数学が必要なのです。数学を使って自然法則がわかるようになると、今度は未来が予測できるようになります。時間軸に沿って変化する現象を、数学的な理論に基づき予測します。これは、数学を道具として使っているような状態ですね。

 

ただ、数学を道具としてだけ利用するのは、もったいないです。実はもっと魅力的なものとして考えることができます。例えば、アインシュタインは、物質が存在すれば空間が湾曲すること、そしてその湾曲こそが重力であることを発見しました。その事実に気づいたとき、彼はデータに合う数式を探していたわけではありませんでした。それどころか、そもそもそんなデータはまだ存在していなかったのです。アインシュタインは重力と加速度とは等価だという洞察を組み込むことによって、自分の作った特殊相対性理論を一般化しようとする過程で、空間は曲がると考えざるを得ないと判断するに至りました。
 

・・・少し難しい話になったかもしれませんが、つまりアインシュタインはデータに基づいて新しい考えを生み出したのではなく、数学に基づいて新しい考えを生み出したのです。今の人工知能ビッグデータでは、データから帰納的に理論などを創ろうとしていますが、このような考えとは真逆の考えから生まれてきました。
数学は新しい世界を創るためにも使われているのです。 

 

このような数学を使って、また新たな世界を切り開こうとした動きがあります。それが、ラングランズ・プログラムです。これは大統一理論と呼ばれています。大統一理論と言われてどのようなものを想像するでしょうか。響きだけはカッコよさそうですね。ここでの大統一理論とは、代数、幾何学、数論、解析という、大きくかけ離れて見える数学の領域の間に、さらには量子物理学の世界にまでもつながりがあるという予想です。

 

数学には本来、情報に秩序を与えるという役割があります。その役割を最大限に発揮できるとすれば、このラングランズ・プログラムは、まさに数学の集大成とも呼べるでしょう。

ラングランズ・プログラムの詳細を書くことはここでは避けますが、詳細を知りたい方は「数学の大統一に挑む」を読んでみてください。数学的に少し難しい部分もありますが、数学を統一させていくプロセスを垣間見ることができます。


数学的な思考をすることで、日常の景色が変わって見え、新しい発見が生まれるかもしれません。


まとめ


Math 1.0:作業ゲーム

Math 2.0:未来予測のための道具

Math 3.0:新しい世界を創るもの