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プロジェクトを経験して

外資コンサルティングファームに入って、3ヶ月が経った。今日までずっと駆け抜けてきたけど、少しお休みをいただいたので、この3ヶ月の僕の活動と感想を書き留めておきたいと思う。自分が外資コンサルティングファームに入る前と入った後でどのように変わったか、周りの環境はどのような感じか等を書ける範囲で綴っていきたいと思う。

 

プロジェクトについて

 研修後は、政府系のプロジェクトに入った。僕が入ったチームは、会社の中でもかなりハードな方で、チームに入ってから、かなり長時間働いた。最初の方だけ、11時までに帰ることができたけど、数日経てば、終電前or終電で帰ることがデフォルトになった。土日も始めはあったけど、もう当然のように土日両方出勤になった。僕がチームに入ったのは、5月の終わりだが、もう2つの案件を経験した。特に2つ目の案件はハードだった。というもの、1つ目の案件が終わってから1日も休みなく働いていたからだ。このようにチームのやり方はハードな部分もあった。

 
プロジェクト経験後の感想

・早く「良い型」を奪う

 会社に入ったら、社内には自分よりも仕事の経験がある人が9割以上いる。その経験の中には、仕事をしていく中で考えられ、既に最適化された「型」が蓄積されている。入社して間もない頃は、その「型」を早く奪うことが、自分のすべきことだと思う。コピーマシンになったつもりで、できる人の「型」をどんどんパクっていく。誰にも文句は言われないし、そのような姿勢は上司からはむしろ歓迎される。確かに、自分の頭で考えることも重要だが、入社して間もない頃で、かつプロジェクトを早く進めなければならない状況では、経験の少ない状態の自分が考えることは、チーム全体のプロジェクト進行を遅くすることにもつながる。例えば、パワーポイントの資料を作成するときには、過去の提出資料等から、完成版のイメージを教えてもらい、過去の資料に習ってスライドを作った方が早くアウトプットを出せる上、自分のパワポスキルも向上する。イノベーション研究の論文で、各国がイノベーションを起こす戦略をとるべきか、イミテーション(模倣)をするべきか、という問題提起がされているものがあった。その結論としては、先進国はイノベーション発展途上国はイミテーションをするべきであるというものであった(当然の結果と思うかもしれないが)。僕ら新人は今、発展途上国のポジション、いや、もはや国ができたばかりのような状態だ。早く「良い型」をパクリまくるしかない。
 頭を使うことも重要だという意見もあるだろう。確かにそうだ。良い型を奪う話で、頭を使うタイミングは、「型」が良いかどうかの判定をする時だ。良いか否かの判定方法はシンプルで、自分の考えより優れていれば、それは良いものと判定する。あとは、僕は素直に指示に従うのが嫌だったので、指示を受けた際には①目的、②完成度、③期限を確認していた。①目的を確認する際には頭を使った。というのも、①目的の確認をした際に、以外と目的がぶれていることがあったので、プロジェクト全体を確認し、今どこにいて、何をすべきかを再検討し、その上で、なぜ今これをすべきなのかを考える必要があったからだ。ちなみに②完成度は最短で結果を出すための最低限のゴールを確認すること、③期限は、自分の期待値を確認して、その期限よりも早く出すためだ。 


 ・指示を待つのではなく、提案する 

 コンサルをしている限り、考えない仕事はない。「型」について上述したが、それはあくまでツールであり、考えるための1つの手段だ。上から指示があった時には、考えて仕事をする。指示がなくても考えて仕事をする。結局自分がプロジェクトの担当者として主体性をもって、下っ端であってもガンガン提案をしてく必要がある。よくマネージャー目線で仕事をしろと言われるが、まさにそうだと思う。自分から提案していなければ、一生下っ端のままパワポ専用量産型ザクになってしまう。
 どの会社も同じだと思うけど、上に上がれば上がるほど実際に手を動かすことは少なくなり、経営判断や戦略策定などをするようになる。早い段階から戦略的に考えて、自分から提案する姿勢を身に着けておかないと、昇進したときに困るor昇進できない状態になってしまう。一番下っ端だろうが何だろうが、自分から提案し、付加価値を出していくことが非常に重要になってくる。

 

・プロジェクト中の自分

 今までつらつらと書きつづってきたが、自分が今回のプロジェクトでうまくできたかと聞かれたら、NOと答える。自分への戒めも込めて感想を書いてきた。大きな反省点としては3つある。1つ目が、目的の共有ができていなかったことだ。目的の共有ができていない状態で作業を進めると、自分が出したアウトプットに対して、ガチで怒られることもあった。僕は指示があった時に、多少不明点があっても、自分で考えて埋め合わせていた。これが非常にまずかった。うまく自分で考えて、自分がやることを埋め合わせることができれば良いが、できていなかったときのリスクが大きすぎる。分からないことはその場で分からないと即座に言うことの重要性をひしひしと感じた。

 2つ目に、単純に作業スピードが遅かったことだ。僕は中級レベルのオフィススキルは既に有していると思うが、完成品のイメージができていなかったため、結局作業が遅くなった。これも目的の共有と近い所ではあるが、早く完成品のイメージをより明確に教えてもらえばよかったと思う。加えて、過去の資料を完全記憶し、使えそうなものは即座に使えるようにしなければと思った。(僕は会社用のPCになってからタイピングが遅くなった気がするので、タイピングのスキルも実践を通して上げていきたい。)

 3つ目は、与えられた仕事を期限までに終わらせることができなかったことがあったことだ。この原因は、自分の仕事のキャパシティを (仕事量)/(消化量) と考えると、仕事量が多いか、自分の消化量が少ないかのどちらかだ。今回の場合、仕事量が多く、コンディションが下がった状態では消化量は下がっていたので、結果として期限を守れないことがあった。これは、自分が非常に改善すべき点である。自分の体力を鍛えるのと同時に、コンディションが悪い時にどのように対処すべきかを考えておく必要がある。今回の場合では、コンディションが悪い時に、いつもより詳しく指示の内容を聞いたり、サポートしてもらったりと対処法は多くあったと思う。「入社1年目の教科書」にも書いてあるような基礎的な所ができていなかったので、このような所は次回から確実にミスがないように書き留めておきたい。

自分が就活生だったら考え直すこと

 もう一度学生に戻って、就活をするなら、しっかりと考えることが3つある。①何をするか、②どのように働くか、③誰と働くか、である。僕が学生の時には、①何をするかについては学生時代の時間を全部使って考えた。大学1年から考え始め、大学院時代に就活が終わってからも考え続けた。だから、今の自分が①何をするか、については納得がいくものができていると思う。ただ、②どのように働くか、と③誰と働くかについては、あまり考えられていなかった。特に③誰と働くかについては、自分で設定できない部分が大きいので、仕方ない所もあるが、②どのように働くかについては、先輩社員に聞いたりして自分でも調べることができるので、就活中でも知ることができるにも関わらず、ほぼ考えていなかった。自分が就活生だったら、1日の中で実質的な自由時間がどれほどあるかを検討し直すかもしれない。もともと自由時間に自分で目標を設定して、色々と進めていくのが好きなので。でも、もう一度就活生に戻っても、コンサルを志望するとは思う。僕の場合、①何をするか、というのが一番重要だったので。

 ③誰と働くかも非常に重要。これが自分のストレスメーターを左右すると言っても過言ではない。人間は誰しも得意な人と苦手な人がいると思うが、仕事では、自分の上司はほぼ選べない。本当に素晴らしい上司に恵まれれば、自己成長とともに会社にも社会にも貢献できると思うが、そのようにうまくいかなかったときにどうするかが問題だ。僕の場合は、長時間働かせる上司に遭遇したので、キツイ部分もあった。でもかなりキツイと言われるプロジェクトを乗り切ったので、少し自信もついた。大手企業に入社するなら、誰と働くかは選べないけど、ベンチャー企業に入るなら、希望する人とも一緒に働きやすいかと思う。

 

ざっと書き綴ってみたけど、僕もまだまだこれからコンサルを経験していこうという気持ちだ。今回のプロジェクトはかなりハードだったけど、短期間に多くのことが学べたと思う。今後もこのような学びをシェアできればと思い、備忘録としてこのブログに気づいたことを残していきたい。